宝塚歌劇団の歴史 理念・方針 名前の由来 上演作品 年間上演数 年間来場者数 専用劇場 などを紹介

宝塚歌劇団 創設からの歴史劇団紹介
宝塚歌劇団 創設からの歴史

宝塚歌劇団は、兵庫県宝塚市に本拠地を置く歌劇団です。

阪急電鉄の一部門であり、阪急阪神東宝グループのエンターテイメント・コミュニケーション事業として運営は阪急電鉄創遊事業本部歌劇事業部が行っており、劇団員は阪急電鉄の正社員扱いとなっています。

日本の商業演劇を代表する劇団であり、演劇業界第一位の劇団四季に公演数では遠く及ばないものの、歴史は古く、年間の観客動員数は劇団四季に迫る勢いです。

参考までに業界第一位の劇団四季と比較してみたいと思います。

劇団年間公演数年間観客動員数
劇団四季300万人以上約3000公演
宝塚歌劇団277万人以上約1300公演
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宝塚歌劇団の特徴

1914年に初の公演を行って以来、未婚の女性だけで構成された歌劇団で、花組(はな)・月組(つき)・雪組(ゆき)・星組(ほし)・宙組(そら)の5組と、いずれの組にも所属しない専科に分かれ、ミュージカル作品を中心に公演を行っています。

【組子】
花(はな)・月(つき)・雪(ゆき)・星(ほし)・宙(そら)のいずれかの組に属している生徒を組子と呼ぶ。
【専科】
いずれの組にも属していない踊りや芝居・歌が特に優れたベテランが所属する宝塚歌劇における特殊部隊のようなもの。

舞台に出演する俳優は『宝塚音楽学校』の卒業生のみで、オーディションなどで外部の俳優がキャスティングされることはありません。団員たちは『タカラジェンヌ』の愛称で親しまれています。

男性が所属していない女性だけの劇団であるため、男性役も女性が演じ、男性の役を『男役』、女性の役を『娘役』と呼びます。

身長を目安に、劇団併設の宝塚音楽学校在籍中にどちらかを優先的に希望することになっているが、公式に定められてはいません。

宝塚音楽学校を卒業して歌劇団入団以後も、団員は『生徒』と呼ばれます。

これは、宝塚歌劇が発足当初、歌劇団員が『芸者や舞妓のようなもの』と揶揄されたことに、小林一三(下記参照)が怒り『宝塚歌劇は良家の子女に高等なる音楽教育を施した「生徒」によってなされるものである』といったことに由来します。

【小林一三】
小林一三(こばやしいちぞう:1873年(明治6年)1月3日生まれ – 1957年(昭和32年)1月25日)は、日本の実業家であり政治家。宝塚歌劇団・阪急電鉄・阪急百貨店・東宝をはじめとする阪急東宝グループ(現在:阪急阪神東宝グループ)の創業者。

宝塚歌劇団には宝塚独自の専門用語があります。ファンの間では当然のように使われている言葉も多く、知らないと会話に入れないといったこともあります。宝塚歌劇団独自の専門用語はこちらのページで紹介しています。

スターシステム

宝塚歌劇団の大きな特徴の一つとして、『スターシステム』を採用している点が挙げられます。

作品において重要な役・ポジションを担当するのは、基本的に各組所属の全生徒の中から選ばれた、一部のスターに限られている。

各組のスターの頂点に立つ男役が『主演男役』あるいは『トップスター』と呼ばれ、各公演で主演を務める。そのため、脚本はトップスターに当てて書かれている。

また、トップスターの相手役を務める娘役のことは『主演娘役』あるいは『トップ娘役』と呼ばれ、各公演でヒロイン的な役を演じている。

トップスター以下、2番手、3番手…、などという呼び方をするが、トップスター以外は明確に固定された地位ではないため、変動することがある。

スターは、容姿・スター性(華やオーラ)・人気も重要な要素であり、実力者がスターになれるとは限らない。

現在のようなスターシステムは、1980年代に確立された。

それ以前では、トップが2人であったり、公演ごとに主演者が異なったり、またスターの他組への特別出演が現在よりも多く実施されたりするなど、より柔軟性に富んだ配役を行なっていた。

スターシステム確立後、トップスターは各組に男役・娘役それぞれ一人で、単独での主演が原則である。

上演作品

宝塚歌劇団はオリジナル作品が多いのが特徴です。

他にも原作がある作品を独自の演出で舞台化したり、海外ミュージカルなど、広いジャンルの作品を上演しています。

【オリジナル作品】

  • ジャワの踊り子
  • ダル・レークの恋
  • 華麗なる千拍子
  • 霧深きエルベのほとり
  • ノバ・ボサ・ノバ
  • アルジェの男
  • あかねさす紫の花
  • バレンシアの熱い花
  • 星影の人
  • 琥珀色の雨にぬれて
  • ヴァレンチノ
  • 哀しみのコルドバ
  • 硬派・坂本竜馬!
  • ル・ポアゾン 愛の媚薬
  • メランコリック・ジゴロ
  • サザンクロス・レビュー
  • シトラスの風
  • 再会
  • エンター・ザ・レビュー
  • 愛するには短すぎる
  • Apasionado!!

【原作がある作品】

  • 虞美人
  • 赤と黒
  • 小さな花がひらいた
  • 我が愛は山の彼方に
  • ベルサイユのばら
  • 外伝ベルサイユのばら
  • 風と共に去りぬ
  • 心中・恋の大和路
  • うたかたの恋
  • 殉情
  • 銀ちゃんの恋
  • 仮面のロマネスク
  • 激情 -ホセとカルメン-
  • 逆転裁判シリーズ

【海外ミュージカル】

  • オクラホマ!
  • WEST SIDE STORY
  • ガイズ&ドールズ
  • ME AND MY GIRL
  • エリザベート -愛と死の輪舞-
  • 雨に唄えば
  • ファントム
  • Ernest in Love
  • THE SCARLET PIMPERNEL
  • ロミオとジュリエット

上記は、2000年以降に上演歴がある作品の一部です。

宝塚歌劇団の理念・方針

宝塚音楽学校・宝塚歌劇団では、演技論以前に、社会人として、一人の女性としてのありかたについて受け継がれている『清く 正しく 美しく』という教えがあります。

これは創業者『小林一三翁』の教えで、礼儀作法やマナーをわきまえ、社会人として、一人の女性として品格を忘れないようにと贈った言葉です。

宝塚ブス25カ条

宝塚歌劇団の稽古場には、『ブスの25箇条』という張り紙があるというのが話題になりました。いつ誰が書いたものかは不明とのことですが、ずっと張られたままになっています。『清く、正しく、美しく』あるために、先輩が後輩たちのために書き遺したもだと思われます。

  • 笑顔がない
  • お礼を言わない
  • おいしいといわない
  • 目が輝いていない
  • 精気がない
  • いつも口がへの字をしている
  • 自信がない
  • 希望や信念がない
  • 自分がブスであることを知らない
  • 声が小さく、いじけている
  • 自分が正しいと信じこんでいる
  • 愚痴をこぼす
  • 他人をうらむ
  • 責任転嫁がうまい
  • いつも周囲が悪いと思っている
  • 他人につくさない
  • 他人を信じない
  • 謙虚さがなく傲慢である
  • 人のアドバイスや忠告を受け入れない
  • 何でもないことにキズつく
  • 悲観的に物事を考える
  • 問題意識をもてない
  • 存在自体が周囲を暗くする
  • 人生においても、仕事においても、意欲がない

宝塚歌劇団の歴史・年譜

1913年(大正2年)阪急電鉄内に宝塚唱歌隊(同年12月に宝塚少女歌劇養成会に改称)を組織する。

1914年(大正3年)桃太郎を題材した 歌劇『ドンブラコ』『浮れ達摩』、ダンス『胡蝶』、管弦合奏、合唱で初演。

1918年、東京に進出し、帝国劇場で公演を行い、機関誌『歌劇』が創刊される。

1919年、私立学校として認可が下り宝塚音楽歌劇学校を設立する。

1921年、公演が増加して花組と月組に分割される。

1924年、3,000人収容の宝塚大劇場が完成。大劇場完成に先立ち、雪組が新設される。

1930年、演出家 白井鐵造が『パリ・ゼット』を制作。作品内に宝塚を代表する曲「すみれの花咲く頃」、「おゝ宝塚」が登場する。

1933年、星組の新設・専科制度の改革が行われる。

1934年、東京宝塚劇場が開館する。

1938年、星組を廃止して、同年12月に学校と劇団を完全に分離した。

1940年、宝塚歌劇団に改称

1946年、宝塚音楽舞踊学校を宝塚音楽学校と改称

1948年、10年ぶりに星組が復活。

1974年、植田紳爾が脚色した『ベルサイユのばら』が登場

1978年、宝塚バウホールが開館する。

1980年代からスターシステムが確立し、組の主演者が主演男役(トップスター)に固定される。

1998年、東京で通年公演実現のため、宙組が新設される。

2001年、新・東京宝塚劇場が開場する。

2014年、創立の初公演から100周年を迎えた。

宝塚歌劇団 団員の雇用形態

宝塚歌劇団の団員は阪急電鉄の社員という扱いになっています。但し、社員と言っても極めて特別な世界のため、無事に定年まで在籍する者はほどんどいません。

理由としては、生徒は未婚でなければならないため在籍するためには結婚することができません。

また、健康、経済など諸事情で今後の活動が困難となった場合は、歌劇団を退団しなければならず、退団と同時に阪急電鉄との雇用契約も消滅します。

1977年入団生(63期生)から通称『(結婚)適齢期定年制度』が導入されました。阪急電鉄の社員であった生徒は、一定の学年になると『タレント』として新たに個別契約を結ぶという制度です。

詳しい契約内容は公開されていないため、正確なことは言えませんが、働き方改革により従業員の権利意識が高まる中で、このような雇用契約が有効なのかは少々疑問を感じます。

専用劇場・常設劇場

公演の中心は『本公演』と呼ばれる大劇場作品で、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)、東京宝塚劇場(東京都千代田区)、を中心に公演を行っている。

各組が年1~2回の本公演を担当しています。

現在はロングランシステムを採用しておらず、公演のスケジュールが決められているため、いずれの公演形態においても、公演期間が延長されることはありません。

その合間に、中劇場の宝塚バウホール(宝塚市)・全国ツアーなど他の公演を行い、少人数でコンサートやディナーショーなどを行うこともあります。

これら本公演の間の公演の場合は、たいてい各組ともトップスターが主演するチームと、2番手以下が主演するチームの二手に分かれて公演を行う。

個々の公演の人数は少なくなるため、若手団員にも目立つ役が付く・スター以外の団員にも見せ場が有る等、チャンスと経験を与える場となっている。

【宝塚歌劇団 専用劇場】

  • 宝塚大劇場(兵庫県宝塚市栄町)
  • 東京宝塚劇場(東京都千代田区有楽町)
  • 宝塚バウホール(兵庫県宝塚市栄町)

【全国公演に使用される劇場】

下記は、阪急阪神東宝グループの資本が入っている劇場もありますが、宝塚歌劇団の専用劇場ではありません。また、公演が毎年必ず行われているわけではありません。

  • シアター・ドラマシティ(大阪府大阪市北区茶屋町)
  • 梅田芸術劇場(大阪府大阪市北区茶屋町)
  • 日本青年館(東京都新宿区霞ヶ丘町)
  • 赤坂ACTシアター(東京都港区赤坂)
  • 日生劇場(東京都千代田区有楽町)
  • KAAT 神奈川芸術劇場(神奈川県横浜市中区山下町)
  • 中日劇場(愛知県名古屋市中区栄)※2018年3月末閉館
  • 博多座(福岡県福岡市博多区下川端町)
  • 福岡市民会館(福岡県福岡市中央区天神)