ミュージカル オペラ座の怪人には続きの物語(続編)があった。ラヴ・ネヴァー・ダイズ(多少のネタバレあり)

オペラ座の怪人の続編ラヴ・ネヴァー・ダイズ作品紹介
オペラ座の怪人の続編ラヴ・ネヴァー・ダイズ

その容姿からパリ・オペラ座の地下に隠れ棲み、皆に恐れられながらも、ひそかに歌姫クリスティーヌに恋をする、悲しいまでの究極の愛を描いた名作『オペラ座の怪人』ですが、ファントムの最後のセリフを覚えているでしょうか?

最後のセリフは『我が愛は終わりぬ夜の調べと共に』ですが、『我が愛』とは、私の愛。(誰かを愛すること)、終わりぬの『ぬ』は完了を表す助動詞であるため、ファントムのクリスティーヌに対する愛は終わってしまったかのように思われましたが、物語には続き(続編)があったのです。

最初の作品が名作すぎるとイメージが強く残り、さらに期待値も上がり、続編は否定されることが多いですが、オペラ座の怪人の続編もファンの間で賛否両論が分かれている作品となっています。

オペラ座の怪人の正式な続編は『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』という作品です。

このページではオペラ座の怪人の正式な続編、ラヴ・ネヴァー・ダイズについて紹介しますが、紹介するにあたり、どうしても多少のネタバレが含まれてしまいます。

ネタバレが嫌な方は、ここでページを閉じて舞台映像を納めたDVDが販売されています。1000円以下で購入することができるので、購入してご覧いただくことをおすすめします。

過去には、2014年、2019年に日生劇場で東宝演劇部がミュージカル上演したことがありますが、今現在(2019年12月)ミュージカルの上演されていません。

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『オペラ座の怪人』続編『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』

ミュージカル『オペラ座の怪人』は、1909年フランスの作家ガストン・ルルーにより出版された小説『Le Fantôme de l’Opéra』が原作になっています。

音楽はイギリスの作曲家で現代のモーツァルトとも称されるアンドリュー・ロイド・ウェバー(以下、ロイド・ウェバーと呼ぶ)が作曲しています。

『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』は、オペラ座の怪人で楽曲を担当したロイド・ウェバー氏が、『オペラ座の怪人』の続編として製作したミュージカルです。

本作品の製作のためにロイド・ウェバー氏がイギリス出身の作家『フレデリック・フォーサイス』に執筆を依頼し、原作となる『マンハッタンの怪人』が誕生しました。

ラヴ・ネヴァー・ダイズの世界観

ラヴ・ネヴァー・ダイズの原作は、作家フレデリック・フォーサイスの小説『マンハッタンの怪人』ですが、ここで注目してもらいたいのが、前作オペラ座の怪人の舞台は、フランスのパリでしたが、今回の舞台はアメリカ合衆国 ニューヨーク州 ニューヨーク市のマンハッタンということです。

このため、物語の舞台がパリ(フランス)のオペラ座ではないため、作品名から『オペラ座』という言葉が消えてしまいました。

世界観もオペラ座の怪人とは全く違います。

よく続編では前作のイメージを引きずりすぎたり、壊してしまったりで批評を集めますが、ラヴ・ネヴァー・ダイズは、前作の世界観がほとんど残っておらず、全く別の作品になっています。

実際に、脚本・作曲者であるロイド・ウェバー氏も「私はこれを続編とは考えていない。単独の作品である」と語っています。

【ロイド・ウェバー氏の発言を引用】
『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』を理解するのに『オペラ座の怪人』を観ておかなければならないわけではない。だが、どちらも観ることができるなら、どちらも交互に観れば、それらを、そのどちらからもストーリーをより理解することができるだろう。

実際に、オペラ座の怪人を観ずにラヴ・ネヴァー・ダイズを観ても、話の内容は伝わり十分理解はできますが、主要な登場人物は共通しており、これまでの人間関係があるからこそ楽しめる作品であるため、順番で両作品を観ることを強くお勧めします。

主な登場人物

オペラ座の怪人とラヴ・ネヴァー・ダイズでは、両作品に共通した登場人物がいます。

  • ファントム(怪人)
  • クリスティーヌ・ダーエ
  • ラウル・シャニュイ子爵
  • マダム・ジリー
  • メグ・ジリー

物語はオペラ座の怪人の最後の事件から約10年後の話なので、みんな歳をとって平均年齢高め、ザ・プリマドンナといった感じの配役はありません。

年表ですが、ミュージカル・映画などに実際に出てくる年、その他の要素と照らし合わせると時期に矛盾を感じることがありますが、その点は深く考えないようにしましょう。

登場人物の性格(キャラクター)も大きく変化

【ファントム(怪人)】
前作では内に秘めた怒り・嫉妬・悲しみ・切なさといった思いを歌唱で表し、セリフというものは少なかったですが、本作品は おしゃべりで人間臭くなっています。

【クリスティーヌ】
クリスティーヌも おしゃべりで人間臭くなっています。前作のよう無垢で初々しいクリスティーヌのはいません。現実の厳しさに揉まれて苦労している様です。

【ラウル・シャニュイ子爵】
落ちぶれたダメ男になってしまいました。自信たっぷりでイケメンのラウルはいなくなってしまいました。クリスティーヌのヒモ男といった感じです。

【マダム・ジリー】
裏があり相変わらず何を考えているのか分からない不気味な感じはありますが、お金にがめついオバサンです。

【メグ・ジリー】
よく言えば可愛らしいですが、いい年なのにちょっとイタイ感じになってしまっています。

登場人物全員のクセが強く、昼ドラのようなドロドロな人間関係が繰り広げられます。

音楽

作品内で使用されている楽曲は『オペラ座の怪人』と同様に、アンドリュー・ロイド・ウェバーが作曲しているため、素晴らしい楽曲が揃っていますが、前作の音楽が至極の名曲揃いすぎて前作と比較してしまうと印象に残る曲がありません。

また、物語の舞台がマンハッタン(アメリカ)だからでしょうか?最も見せ場となる場面の音楽もロック調で、前作のような美しいクラッシック調の音楽を期待している人からすれば少し残念に感じるかもしれません。

【一幕の楽曲】

  • Til I Hear You Sing(君の歌をもう一度)
  • The Coney Island Waltz(コニー・アイランド・ワルツ)
  • Only for You(彼だけのために/あなただけのために)
  • Ten Long Years(この10年)
  • Christine Disembarks(クリスティーヌ到着)
  • Are You Ready to Begin?(トリオの出迎え)
  • What a Dreadful Town!(なんてひどい街)
  • Look with Your Heart(心で見つめて)
  • Beneath a Moonless Sky(月のない空の下)
  • Once Upon Another Time(遠い昔、別の時代)
  • Ten Long Years of Yearning
  • Mother Please, I’m Scared!(お母様、怖い)
  • Dear Old Friend(懐かしい友よ)
  • Beautiful(とってもきれい)
  • The Beauty Underneath(美の真実)
  • Phantom Confronts Christine(問い詰められて)

【二幕の楽曲】

  • Entr’acte(アントラクト)
  • Why Does She Love Me?(なぜ私を愛してくれるのか?)
  • Devil Take the Hindmost(負けた者は悪魔の手に)
  • Invitation to the Concert(コンサートへどうぞ)
  • Bathing Beauty(水着の美女)
  • Mother, Did You See?(ママ、上出来ね)
  • Before the Performance(歌う前に)
  • Devil Take the Hindmost(負ければ地獄 カルテット)
  • Love Never Dies(愛は死なず)
  • Ah, Christine!(ああ、クリスティーヌ! )
  • Gustave! Gustave!(コニー・アイランドの通り)
  • Please Miss Giry, I Want to Go Back(お願い、ミス・ジリー)
  • Finale(そして最後に)
  • Love Never Dies(愛は死なず)
  • Playout(プレイアウト)

まとめ・総括

パリのオペラ座を舞台にした物語は『オペラ座の怪人』と『ファントム』の2つがありますが、本作はロイド・ウェバーが作曲を担当した『オペラ座の怪人』の続編で、『ファントム』の続編ではありません。

『オペラ座の怪人』と『ファントム』の違いはこちらのページをご覧ください。

ラヴ・ネヴァー・ダイズはオペラ座の怪人の正式な続編ですが、前作の世界観は全く引き継いでいません。

ファンの間でも賛否両論ある作品で、前作が大好きで世界観を壊したくないというのであれば、観ないという選択肢もありかと思います。

観るのであればパラレルワールド的な感じで観るのがいいかもしれません。

【最後に…。】

ネタバレを控えていたため、詳しいストーリーについては触れてきませんでしたが、本作を観るとクリスティーヌのことが少し嫌いになります。

物語の結末はハッピーエンドでなくてもいいけど、まさか、あんな終わり方は…、という感想です。

オペラ座の怪人とラヴ・ネヴァー・ダイズの両作品を合わせて一言で説明するなら『クリスティーヌという尻軽女に振り回される男たちの物語』といった感じでしょうか!?