劇団四季『オペラ座の怪人』と宝塚歌劇団・東宝演劇部『ファントム』ミュージカル作品の違いと共通点

劇団四季「オペラ座の怪人」宝塚歌劇団「ファントム」作品紹介
劇団四季「オペラ座の怪人」宝塚歌劇団「ファントム」

パリのオペラ座を舞台にした物語は『オペラ座の怪人』『ファントム』の2つあることをご存知でしょうか?

2つある物語のうち『オペラ座の怪人』は劇団四季、もう一つの物語である『ファントム』は宝塚歌劇団がミュージカル上演しています。

最近は東宝の舞台でも『ファントム』が上演されています。

演出にちがいはあれど、物語の舞台、主要な登場人物、基本的なストーリーは同じです。

なぜ、『オペラ座の怪人』と『ファントム』2つの物語が存在するのでしょうか。

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『オペラ座の怪人』『ファントム』違いと共通点

『オペラ座の怪人』『ファントム』は、1909年フランスの作家ガストン・ルルーにより出版された小説「Le Fantôme de l’Opéra」が原作になっています。

英語では『The Phantom of the Opera』(ファントム・オブ・ジ・オペラ)で、劇団四季ファンの方には馴染みがあるのではないでしょうか。

両作品とも同じ小説を元に作られているため、基本的なストーリーは非常に似ています。

しかし、一方がオリジナルで一方が真似をしているというわけではありません。

但し、知名度では圧倒的に『オペラ座の怪人』の方が有名で、東宝の舞台ではミュージカル『ファントム』のキャッチフレーズに「もうひとつのオペラ座の怪人」と付けています。これでは、あちらが本家と言ってしまっている様にも捉えられてしまいます。

登場人物

『オペラ座の怪人』と『ファントム』は原作が同じであるため、主要な登場人物と物語内での役割は似ていますが、細かな人間関係などの部分で多少の違いがあります。

また、一部の登場人物は名前が違い、一方にしか登場しない人物もいるため、完全に同じ作品というわけではありません。

【オペラ座の怪人の主な登場人物】

  • ファントム
  • クリスティーヌ・ダーエ
  • ラウル・シャニュイ子爵(ファントムのフィリップ役)
  • マダム・リジー(オペラ座の怪人のみ登場)
  • カルロッタ

【ファントムの主な登場人物】

  • ファントム
  • クリスティーヌ・ダーエ
  • フィリップ・ド・シャンドン伯爵(オペラ座の怪人のラウル役)
  • ジェラルド・キャリエール(ファントムのみ登場)
  • カルロッタ

ファントムの恋敵であり、クリスティーヌの相手役は、『オペラ座の怪人』では、ラウル・シャニュイ子爵、『ファントム』では、フィリップ・ド・シャンドン伯爵で、物語内での役割は似ていますが、名前が違います。

他には、それぞれの作品にのみ登場する人物がいます。オペラ座の怪人では「マダム・リジー」、ファントムでは「ジェラルド・キャリエール」です。

マダム・リジーはオペラ座のバレエの教師で、ジェラルド・キャリエールはオペラ座の元支配人で、役としては全く違いますが、物語内での役割は二人ともオペラ座の秘密を知る影のある重要な役割です。

ストーリー(物語)

『オペラ座の怪人』と『ファントム』は原作が同じであるため、大まかなストーリーは同じですが、演出家が違うため、全場面が共通しているわけではなく、全く違う作品に感じられます。

ストーリーの共通点は、その容姿からパリ・オペラ座の地下に隠れ棲み、皆に恐れられながらも、ひそかに歌姫クリスティーヌに恋をする、彼の悲しいまでの究極の愛を描いた作品ということです。

両作品の怪人もクリスティーヌを愛していて彼女の音楽の才能を開花させてくれます。

有名なシャンデリアが落下する場面も両作品に共通していますが、落下する場面が違います。

怪人の性格も少し違います。『オペラ座の怪人』の怪人は怒り、恐怖、終幕は切ないイメージがありますが、『ファントム』の怪人は紳士的なイメージがあり、劇中で怪人の生い立ちについても触れられているため、感情移入がしやすいかもしれません。

使用される楽曲

『オペラ座の怪人』と『ファントム』は作曲家が違うため、作品内で使用されている楽曲は全く違います。

オペラ座の怪人の作曲家:アンドリュー・ロイド=ウェバー

ファントムの作曲家:モウリー・イエストン

共通の音楽は一曲もありませんが、どちらも名曲ばかりで両作品が名作と呼ばれる理由の一つに音楽の素晴らしさがあります。

全ての曲を書き出すと両方で80曲以上になってしまうため、一部の代表的な曲を書き出します。

【オペラ座の怪人の音楽】

  • Overture
  • Angel Of Music
  • The Phantom Of The Opera
  • The Music Of the Night
  • All I Ask Of You
  • Masquerade Why So Silent
  • The Point Of No Return

オペラ座の怪人の音楽は、現代のモーツァルトとも称されるアンドリュー・ロイド=ウェバー作曲で、至極の名曲揃いです。

歌い上げる俳優もファントム・クリスティーヌを演じる役者さんともなれば、超一流。突き抜けるような美しいソプラノ、会場が揺れるような重低音が楽曲を際立たせます。

【ファントムの音楽】

  • Where In The World
  • Home
  • Who Could Ever Have Dreamed Up You

ファントムの楽曲も名曲揃いですが、ミュージカルになるとやはり宝塚歌劇団は女性のため、低音部分に正直物足りなさを感じてしまいます。

ミュージカル『ファントム』を日本で初めて上演したのは宝塚歌劇団です。宝塚がファントムを上演する際は、他では聞くことができないオリジナル曲が2曲あります。

【宝塚歌劇団ファントム オリジナル楽曲】

  • Hear My Tragic Tale(僕の悲劇を聴いてくれ)
  • Christine

まとめ・総括

  • 『オペラ座の怪人』『ファントム』は、原作(Le Fantôme de l’Opéra)が同じ。
  • 登場人物は、名前が違ったり、役柄の違いはあるが、役割としては同じである。
  • ストーリーの大前提は同じであるが演出家が違うため、一部異なる場面がある。
  • 楽曲は作曲家が違うため、両作品に共通している音楽は無い。
  • 怪人の性格にも違いを感じる。

どちらの作品が良いかと聞かれると、完全に好みなの問題なので、回答は難しいですが、どちらが有名かと聞かれれば、作品、楽曲共に圧倒的に『オペラ座の怪人』です。

しかし、両作品を観ることで、いつもとは違う視点で物語を観ることができ、怪人・クリスティーヌに対し、新たな感情が生まれるかもしれません。

両作品とも名作ですので、是非、小説やDVDではなく、劇団四季・宝塚歌劇団または東宝の劇場で観劇してください。