チケットが本物でも転売サイトで購入したものは入場拒否は法的に問題ないか?無効座席の売り主に返金の義務は?

転売チケット入場拒否・無効座席困ったときの対処法
転売チケット入場拒否・無効座席

ライブエンタテイメント市場の拡大、ネット環境の普及に伴うインターネットオークション、フリマサイト、二次流通サイトでの転売の容易さに伴い、チケットの高額転売がエスカレートし社会問題となっていました。

チケット不正転売防止法の施行により法整備も整い、興行主も独自に転売防止に対する対応を強化していますが、ネットオークション・転売サイトなと、正規ルート以外で入手したチケットでの入場を拒否するといった主催者の対応は法律に照らし合わせて問題がないのでしょうか?

また、無効座席のチケットを販売してしまった人は購入者に返金をする必要があるのでしょうか?

大前提として、法律によりチケットの不正転売は禁止されています。チケットの不正転売は止めましょう。このページは実際に発生している問題の法的見解を示しているだけであって、転売の推奨しているわけではありませんので、勘違いのないようお願いします。
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入場拒否・無効座席の処置は法的に有効か?

結論から言ってしまうと、法律上、正規のルート以外で入手したチケット所有者に対しての入場拒否・無効座席は、興行主・主催者の判断に委ねられています。

事前に興行主・主催者が規約で正規ルート以外で購入したチケットでなければ入場ができないと定めているのであれば、入場拒否という対応は法的に問題がありません。

チケット所有者の知らなかったといった言い分は考慮される理由になりません。

入場拒否されたこにより興行主・主催者に損害賠償をしたとしても認められる可能性は低いでしょう。

但し、これは事前に規約で定められていた場合です。

規約に書かれていないのに入場を拒否することはできません。

無効座席を販売した者の返金義務

チケットは、それ自体(紙切れ)に対して価値があるのではなく、興行を観ることができるから価値があるのです。

出品者はインターネットオークション・転売サイトに出品する際に、『興行を観ることができる』という前提で販売していて、購入者も『当然、公演を観ることができる』という前提で購入しているため、入場を拒否されてしまった場合、チケットの購入者から、錯誤に基づく契約無効の主張(民法95条)や瑕疵担保責任に基づく契約解除(民法570条)がされれば、返金に応じなければなりません。(下記参照)

また、出品者はチケットを販売するにあたり、不利になる事実(入場拒否のリスクなど)を知っているにもかかわらず、故意に伝えなかったことにより、購入者は不利になる事実が無いものと誤認してチケットを購入した場合は取引を取り消すことができます。(下記参照)

  • 興行主・主催者が転売を認めていない
  • 本人確認が行われる(可能性がある)
  • 本人でないかとが発覚した場合は入場することができない

上記の事項を購入者に伝えず、購入者はチケットがあれば当然入場することができると思い込んでいたのであれば取引を取り消すことができるため、返金の義務が生じます。

出品者が不利になる事実を知らなかった場合は、この規定は適用されませんが、チケットを購入する際に 興行主・主催者の規約に同意しているのですから、知らなかったは通りません。

また、チケットが既に無効チケットであることを知りながら販売すれば詐欺になる可能性もあります。

【錯誤に基づく契約無効の主張(民法95条)】
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

【瑕疵担保責任に基づく契約解除(民法570条)】
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条「地上権等がある場合等における売主の担保責任」の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

【消費者契約法4条2項】
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。

まとめ・総括

大前提として、法律によりチケットの不正転売は禁止されています。チケットの不正転売は止めましょう。

チケットの転売は出品者にも購入者共にリスクがあります。

それでもチケットを転売するというのであれば、事前に『興行主・主催者の許可を得ていない取引である』『本人確認が行われる(可能性がある)』『転売チケットということが発覚したら入場拒否となる』という説明をして、『入場拒否となった場合も返金には応じません』ということに理解・同意を得た取引でなければ、基本的に出品者は購入者が入場することができなかった場合、返金等の義務が生じると思っておいた方がいいでしょう。